向台の庭

東京都・西東京市にある個人邸のお庭作りを手がけました。

入居当初にウッドデッキを製作したきり、長らく防草シートがむき出しの状態で、お子様がお生まれになったことをきっかけに、お庭のリフォームを検討されていました。

お客様のご要望としては、敷地の半分を子供が遊べるスペースにし、もう半分を植栽や菜園スペースにしたいというものでした。

また、雨が浸透せず、雨水枡から水が溢れたり、敷地に水たまりやぬかるみができたりするので、それらを改善する必要もありました。

 

<施行前の様子>

 

お客様と協議を重ねた結果、お子様が遊べるスペースは、当初、芝張りや盛土などの案が出ておりましたが、お子様が成長し独立された後のことなど、将来的な使い方を考慮した結果、伊勢砂利の洗い出しを採用致しました。

既存のデッキから敷地までは50cm程度の段差があったため、洗い出しのスペースは敷地よりも一段上げ、さらに既存のデッキと同じ素材のステップも新たに増設することで、小さいお子様でも安心してお庭に出られるようにしてあります。

その他には、よりお庭を使いやすく、また美観を向上させることを目的として、イタウバのフェンスやベンチ、砂岩を用いたオリジナルの立水栓、廃プラスチックをリサイクルした素材で作った菜園用のプランターや、環境にやさしい原料を使用したドイツ産の塗料「オスモカラー」で塗装したコンポストなどを造作させて頂きました。

近年では樹脂材やアルミ形材を使用した工作物が主流となってきておりますが、全部とは言わず、少しでも自然素材のものを入れると、庭の美観が格段に向上します。

自然素材のものは、お手入れを必要としますが、自ら手を入れることで、より愛着のあるお庭になっていくと考えています。

植物は、高木にはジューンベリーやエゴの木、ゲッケイジュ、常緑ヤマボウシ、低木にはノリウツギやマホニア、フォッサギラなどを植栽致しました。どれも収穫や奇麗な花が楽しめたり、比較的樹形が整い易く、剪定があまり難しくない樹種を選ぶことで、お手入れし易い植栽としています。

雨水の浸透に関しては、雨水浸透枡を新しく大きいものに変更し、2年ほど前から実践している「通気浸透水脈工事」を行うことで対処致しました。

工事後、超大型の台風が何度か関東を直撃しましたが、お客様にお伺いしたところ、これまでのように、雨水枡から水が溢れたり、長時間にわたって敷地に水たまりやぬかるみが発生することはなかったとのことで、安心しております。

最近では気候変動の影響で、集中豪雨が頻発し、台風の大型化で自然災害が各地で多発しています。

特に都市部では、大地がコンクリートやアスファルトに覆われ、雨水は大地に浸透することなく、側溝や雨水管などを通り川に放流され、特に短時間の記録的な豪雨などに見舞われると、想像を超える速度で河川が氾濫する危険性が高まっています。

植物や庭には、大地の通気性/浸透性を向上させる力があります。

これからますます、自然災害が多発することが予想されている中で、それを少しでも抑制し、自然災害から人々を守ることにつながるという意味においても、植物や庭の重要性が高まってきています。

弊社では、単に景観を良くするだけの庭作りではなく、お客様や地域の住環境の改善までも視野に入れた庭作りを、今後も引き続き行っていきたいと考えています。

 

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