東京都小平市にある個人邸のエントランスのリフォームを手がけさせて頂きました。
お客様からは、「門柱が道路から見えにくく、宅配便などの誤配が多いこと」、「お車を手放されたことで敷地内へ入りやすくなり、心理的な防犯性を高めたいこと」、そして「ガビオン(蛇籠)やフレームを取り入れたエントランスにしたい」というご要望を頂きました。

・施工前の状態
今回は、お客様のご要望を丁寧に整理し、デザイン性と使い勝手の両立を目指したエントランスをご提案しました。
その中でも、今回の計画の中心となるガビオンの門柱は、配置や施工方法について慎重な検討が必要でした。
ガビオンの門柱は重量があるため、大きな基礎が必要になります。
もし基礎が水道・ガス・電気などの既設配管と重なってしまうと、配管の移設工事が必要となり、工期の延長や不要な工事が発生するだけでなく、施工上のリスクも高まります。
そこで、事前に配管図面をご提供頂き、配管位置を細かく確認しながら、門柱の配置を何度も検討しました。
道路からの見え方や日々の使い勝手も考慮した結果、既存の土間コンクリートを極力壊さずに施工できる位置を導き出すことができました。
不要な解体工事や配管の移設を避けることで、施工期間を短縮するとともに、お客様のご予算をより有効にデザインへ充てられる計画となっています。

お客様がご希望されていたフレームは、当初は鉄工所でオーダーメイド製作することも検討しました。
しかし、デザインや質感、耐久性を満たす製品を改めて探した結果、今回の空間にふさわしいアルミ製の既製品を見つけることができました。
軽量で施工性にも優れ、シャープな意匠もガビオンとの相性が良く、違和感なく空間に溶け込んでいます。
既製品を丁寧に選定することで、オーダーメイドに頼ることなく、お客様の理想とする空間を実現しました。
門柱には、お客様ご希望のチャート石を使用したガビオンを採用しました。
ガビオンは石を入れるだけと思われがちですが、石の納まり方によって完成時の印象は大きく変わります。
今回は一つひとつの石を丁寧に積み重ねるように納め、天然石ならではの表情や陰影が美しく現れるよう仕上げました。
住まいの顔として、力強さと繊細さを併せ持つ門柱となっています。




ガビオンに合わせるインターホンカバーと表札についても、一からオーダーメイドで製作することを検討しました。
しかし、こちらもメーカーへ直接相談したところ、既製品をベースにサイズやフォントのレイアウトなどの変更を対応して頂けることになりました。
さらに、通常では取付が難しいガビオンへ施工できるよう、専用の加工や取付方法までご提案頂いています。
メーカーとの打ち合わせを重ねることで、デザイン性だけでなく、納まりや施工性まで含めて満足のいく門まわりとなりました。

・プライバシー保護のため、表札の氏名や住所などの個人情報は加工しています。
道路側には目隠しを兼ねたウッドフェンスを設置しました。
柱・張り板ともに採用したのは、高い耐久性を持つハードウッド「イタウバ」です。
フェンスはウッドデッキに比べて雨や紫外線の影響を受けにくいことから、張り板には12mm厚を採用し、必要な性能を確保しながら、素材を無駄なく活かした仕様としています。
また、柱金物には亜鉛溶融メッキ処理を施した特注品を採用しました。
万が一、将来的に柱が傷んだ場合でも柱だけを交換できる構造としているため、長期的なメンテナンス性にも優れています。
完成したときだけでなく、その先何十年と安心して使い続けられることも、このフェンスの大切な価値です。
完成したエントランスは、ガビオンの重厚感とブラックフレームが空間に奥行きを与え、天然木フェンスが柔らかな印象を添えています。

道路から門柱が認識しやすくなったことで誤配の改善が期待できるだけでなく、フレームが空間をゆるやかに仕切ることで、心理的な防犯性にも配慮したエントランスとなりました。
今回の施工では、デザインだけを追求するのではなく、既存の土間コンクリートを極力壊さない計画、配管への配慮、製品の選定、施工方法まで、一つひとつ丁寧に積み重ねています。
私たちは、見た目の美しさだけではなく、その背景にある施工性や耐久性、将来のメンテナンス性まで含めて設計することを大切にしています。
住まいごとに異なる条件を丁寧に読み解き、限られた条件の中で最適な方法を導き出すこと。
それが、SHIKINOWA DESIGNが考える庭づくり・外構づくりです。
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