四季のあるベランダガーデン

2年ほど前に、内海聡建築設計事務所様がリノベーションを手がけられた、マンションのベランダガーデンを施工させて頂きました。
お客様は、内装だけでなく、断熱改修も依頼されたということで、一年を通してとても居心地の良い住まいになったと、最初のお打ち合わせの際に嬉しそうにお話しして下さいました。
しかし、最近になって隣地に大型マンションの建設があり、それによって、せっかくの眺望やプライバシーが損なわれてしまうということをご心配になられておりました。
それらの改善や保守といったことを主眼に置きながら、レンガと木材の組み合わせや配置が印象的な温もりのある室内空間と、屋外の住環境との関係性を、植栽によって再構築することを計画のコンセプトとして考えました。

高木にはある程度目隠しの役割を持たせつつ、外部を完全に遮断しない抜け感のある枝振りのものを選び、その中でも実がなり収穫が楽しめるものや、常緑性ながら紅葉する季節感のあるものを用いています。
低木や下草には、紅葉や花が美しい落葉樹を中心に、無農薬で育てられるよう、他の植物を病害虫から守ってくれる効果があり、料理にも使えるようなハーブなどを用いています。

住まい手にとって居心地の良い室内空間は、その居心地の良さゆえに、ややもすれば住まい手が外との接点を断ってしまい、内向的になってしまう場合があります。
ベランダという言わば内と外との境界に植栽を設けることで、住まい手の意識を外へと向けさせることができます。
庭が目指すものは、カーテンを締め切った日常から、窓を開けるのが楽しみになるような日常を実現することです。
それが、自らの住まいと、それを取り巻く周辺環境との調和を図り、その地域に愛着を持って暮らすことにつながるのだと思います。

今回、このような素晴らしい機会を与えて頂いたお客様と内海聡建築設計事務所様に感謝を申し上げ、この報告とさせて頂きたいと思います。

・建築設計
内海聡建築設計事務所
http://www.uchiumi-arc.com/
・植栽施工
Shikinowa Design

*住居の竣工写真は内海聡建築設計事務所様からお借り致しました。
(無断転載厳禁)

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